子連れで飛行機に乗るときはいつも緊張する。
子どもの機嫌が悪くて騒いでも逃げ場がないから。
子どもが小さいうちは乗せるなという意見があるのも知ってるけど、
実家とは車で8時間の距離だから、やっぱり飛行機を使いたいときもある。
数日前に乗ったときのこと。
隣に座ったのは60代くらいの気難しい顔をしたおじさま。
「子どもがいるのでご迷惑おかけします」と声をかけてみたけれど、
「何歳?ふーん(1歳児なんて乗せるなよと顔に出てた)」
というお返事だったからドキドキしてた。
うちの子は飛行機が大好きだから、窓から他の飛行機が見えたり、動き出したらすると、指差して喜ぶ。
コソコソ小さな声で話したりしていたら、おじさまも和んできたのか、子どもに顔を向けてくれたり、私に何度か話しかけてきたりした。
降りるときには私の荷物を持つからと言い、飛行機の狭い通路をおじさま自身の荷物に加えて私の分の荷物まで持ってくれた。
おじさまの最初の態度に緊張していたからこそ、余計に最後の優しさが沁みた。
本当にありがとう。
以前も子連れで飛行機に乗ったときに、通路向かいのおじさまが、頭上の棚から私の荷物をさっと取り出してくれたことがある。
子連れで気を張っているときは余計に、そういう優しさが本当に沁みて、なんならちょっと涙が出そうになる。
最近は厳しく批判しあったりする生きづらい世の中みたいだけど、なんだかんだ優しい人はたくさんいてまだまだ捨てたものじゃない。
今はどうしても助けられてしまう立場だけど、いつかいつか、知らない誰かへこの恩を返したい。
そうやって優しさが脈々と受け継がれていく世界になったらいいな。
出会ったおじさまたちのように、私もそんな一人になりたい。